コンデンサーマイクの選び方・おすすめランキング【2017年版】

最終更新日: 2017年05月26日 | 作成日: 2017年03月08日 | 5289 views

レコーディングに用いるコンデンサーマイクの選び方のポイントを仕組みから徹底的にご説明します。
その上で、オススメしたいコンデンサーマイクをランキング形式でご紹介いたします。
買って後悔することはないコスパ抜群のコンデンサーマイクを47本から5本厳選いたしました。

マイクにはダイナミックマイクとコンデンサーマイクがあります。スタジオでの録音や宅録、DTMでは通常コンデンサーマイクを用いますが、値段はピンキリです。

ライブに用いるダイナミックマイクは【ダイナミックマイクの選び方・おすすめランキング】で解説しています。

ひと昔前までは数万円で安物と言われていたコンデンサーマイクですが、
最近は、コンデンサーマイクを低価格で製造できる会社が増えてきたため、必ずしもハイエンドのものを買う必要はなくなってきました。

ぜひ自分の声・楽器にあったコンデンサーマイクを見つけてくださいね♬

93商品から
5商品厳選
中谷 卓也
かつてレコーディングエンジニアとして働いていました。 今も自分自身で音楽活動を続けています。 最近では三線にはまっています。

コンデンサーマイクとは

話したり、歌ったり、楽器を弾いたりすると空気が振動します。
空気が振動するとは、空気の圧力が変わるということです。
薄い板を置くとその変化する空気の圧力により、板も振動します。
その薄い板がどれくらい振動したかを電圧に変換する役割をする機械がマイクです。

コイルの中を磁石が振動することで、コイルに電流が流れます。(フレミングの法則)
この法則を利用したマイクがダイナミックマイクです。

一方、薄い金属板2枚の間で電圧をかけておくと、薄い金属板に電荷が貯まります。
その2枚の金属板の距離を近づけると電圧は下がります。
距離を遠ざけると電圧は上がります。

この2枚の金属板はコンデンサーとみなすことができ、コンデンサーの静電容量の変化による電圧の変化を利用したマイクがコンデンサーマイクです。

コンデンサーマイクには主にダイアフラムコンデンサーマイク(DCM)とエレクトレットコンデンサーマイク(ECM)の2種類があります。

この2種類の違いは、コンデンサーとして働く2枚の金属板間の電圧のかけ方です。

ダイアフラムコンデンサーマイク(DCM)

ダイアフラムコンデンサーマイク(DCM)はファンタム電源の電圧を利用しています。
ダイアフラムとは2枚の金属板のうち振動する方の金属板を指します。しかし実際には金属板ではなく、金属を蒸着させたプラスチックフィルムの場合が多いです。

エレクトレットコンデンサーマイク(ECM)

一方エレクトレットコンデンサーマイクは、半永久的に電荷をもつことができる、
エレクトレット素子(電石)を利用しています。
製造時にエレクトレット素子に数十~数百Vの電圧をかけてあり、ファンタム電源なしで使用することができます。
レコーディング用のECMではファンタム電源を必要とするものも多く、その電源は増幅に使われています。

エレクトレットコンデンサーマイクは小型化できるため、小さなICレコーダーやイヤホン付属のマイクに使われてきたことから、安物のマイクと思われがちです。
しかし実際にはハイエンドのマイクにも使用されており、音質が悪いわけではありません。
また、コンデンサーマイクは湿度に弱いと言われていますが、ECMは比較的強く、メンテナンスも楽です。

DPA社のプリポラライズドという表記はエレクトレットコンデンサーマイクのことです。
格安中華マイクのBM-800やBM-700、BEHRINGERのC-1やAudio-TechnicaのAT2020、AT2035、AT4021やDPAの4006などがECMです。


コンデンサーマイクの選び方のポイント

振動板口径

コンデンサーマイクにはラージダイアフラムと呼ばれる振動板口径が1インチ以上のものと、スモールダイアフラムと呼ばれる振動板口径が1インチ以下のものがあります。(DCM)

ちなみにエレクトレットコンデンサーマイクでは、16φ(口径16mm)以上のものは概してラージダイアフラムと呼んでいるようです。

一般的にはラージダイアフラムのほうが心地良い音が録音できます。なぜなら、ラージダイアフラムのほうが振動板が柔らかく振動しやすいため感度が高く、また振動板が大きいため振動板が部分振動して倍音が綺麗にとれるからです。

一方スモールダイアフラムはいらないのかと言うと、そうではありません。
スモールダイアフラムはラージダイアフラムより広い帯域(低い音から高い音まで)をフラットに(実際の音を正確に)録音することができるのです。
なぜなら振動板が硬く、大きな音でも歪みにくいからです。しっかりとしたマイクプリアンプで少ないノイズで増幅させれば、高い再現性で録音することができます。

安いコンデンサーマイクはスモールダイアフラムの場合が多いです。はじめての一本にはラージダイアフラムを選ぶことをおすすめします。

感度

マイクの感度はdB(デシベル)で表されます。
デシベルと聞くと音の大きさのように感じる人も多いかと思いますが、デシベルは2つの量の相対的な関係を表す際に用いられます。

ここにおける2つの量とは、気圧(音の大きさ)と電圧です。
音が大きければ、それだけ空気が大きく振動し、大きな気圧の変化が生まれます。
よって気圧は音の大きさと置き換えてもらって大丈夫です。

さて、マイクの感度では
気圧が1Pa(パスカル)変化したときに1ボルト電圧が変化する関係を0dBとしています。

感度高い順に
  • 気圧1Pa・電圧1V:   0dB
  • 気圧1Pa・電圧0.01V: -20dB
  • 気圧1Pa・電圧0.001V:  -40dB
  • 気圧1Pa・電圧0.0001V:-60dB

という関係になっています。
つまりマイナスなんとかdBの数字が0に近いほど感度が高いマイクということです。

ダイナミックマイクの代表shure SM58の感度は-54.5dBV/Pa (1.85mV)で、
コンデンサーマイクの代表Neumann U87Aiの感度は-34dB/-31dB/-33dB(20mV/28mV/22mV)で、
U87Aiの方が感度が高いことが分かります。

U87Aiなどのハイエンドコンデンサーマイクでは感度を変えることができるため、3つの表記がされています。

指向性

コンデンサーマイクには様々な指向性がありますが、通常録音用のコンデンサーマイクは単一指向性・双指向性・無指向性(全指向性)の3つに大きくわかれます。

単一指向性

単一指向性とはマイクを縦に(普通の状態)置いたときに、マイクが拾える音がそのマイクの真正面(ロゴなどがある面)だけという特性のことです。

演奏者が一人の場合は、その演奏者の音だけを録音したいので、単一指向性が望まれます。

その単一指向性の中にも音が拾える範囲の形によってカーディオイド・サブカーディオイド・スーパーカーディオイド・ハイパーカーディオイドに分かれます。

サブカーディオイドはカーディオイドと比べて、より広い範囲の音がとれるので、どちらかというと全指向性に近いマイクです。
通常の演奏ではカーディオイド型が使われることが多いです。

カーディオイド型
スーパーカーディオイド型

双指向性

双指向性とはマイクを縦に置いたときに、マイクが拾える音がマイクの真正面と真裏側の2面あるという特性のことです。

二人で対話をしたり、二人でデュエットしたりする際に使われます。
双指向性のマイクはスイッチで単一指向性に切り替えられるものが多く、便利なものが多いのですが、その分値段も高いものが多くなっています。

全指向性(無指向性)

全指向性とはマイクが全方向の音を録音できる特性のことを言います。
複数人数で同時に演奏したり、話したりする際に使われます。

ハイエンドのコンデンサーマイクの中には単一指向性・双指向性・全指向性の全てをスイッチで切り替えられるものがあります。

周波数特性

音には周波数(一秒間にどれくらい振動するか)があります。
マイクは全ての周波数の音をとれるわけではありません。
マイクは人の耳で聞き取れる範囲(20hzから20khz)の周波数だけを録音できるように作られています。

周波数特性というのは、各周波数の音をどれくらい強く感じ取って録音するかという特性のことです。

通常横軸に周波数・縦軸に音の大きさデシベルをとってグラフで表します。
この周波数特性のグラフがまっすぐでなく波状になっていると、それは本来の音とは異なる音で録音されるということになります。

それは時に綺麗に聞こえるかもしれませんが、編集などする際に、コントロールできず、使い物になりません。

なるべく周波数特性がフラットのものが、中級以上になって、編集を多様するようになっても使えるのでおすすめです。

最大音圧レベル

最大音圧レベルというのは、コンデンサーマイクが録音することができる最も大きな音のレベルのことです。

携帯電話などで大きな声を出すと聞こえなくなったりしますよね?それは最大音圧レベルを超えた音だからです。

通常の歌声ではそこまで気にする必要はありませんが、大きな音と小さな音の違いをしっかりとりたい場合などは、最大音圧レベルが高いものを選ぶべきです。

感度のところでdB(デシベル)の表記法が分かった方は、分かるかと思いますが、デシベルは相対的な関係を示しているだけです。

最大音圧レベルにおけるdBは感度のdBとは違う2つの量の関係を示しています。
ここにおける2つの量とは、【最小可聴音圧】と【実際の音圧】の関係です。

最小可聴音圧20×(10^−6) Paを基準としたときに、その何倍の気圧変化かを示しています。
例えば20x3 = 60Paであれば、それは基準音圧の10^3=1000倍の気圧変化があることを表します。

S/N比

S/N比とはSignal(信号)とNoise(雑音・ノイズ)の比のことで信号対雑音比とも言われます。
S/N比が高いほどノイズに対する信号が大きいため、ノイズが少なく聞こえるマイクということになります。

正確に言うとSignalは最大の信号レベルで、最大音圧レベルの音を集音した際の電圧です。
そしてNoiseは全く音がない状態(無音状態)における出力電圧です。
この比を上で述べたdB(デシベル)を用いて表しています。

20x3 = 60dBのS/N比であれば、10^3=1000倍の比という意味ですので、
最大音の0.001倍のノイズがあるということです。

ダイナミックマイクではS/N比が書かれることはほとんどありません。

ローカットスイッチ・パッドスイッチの有無

ローカットスイッチは、ノイズとなる帯域の音を録音しないようにするノイズカットを切り替えられるスイッチです。

ノイズをカットする電子回路、およびそれを構成する電子部品の質によってノイズのカットのされ方は大きく変わります。

高価格帯のものほど、ノイズが綺麗にカットされ、心地良い音になるように設計されています。

パッドスイッチをオンにするとマイクの感度を下げることで、大きな音を録音する際に音割れしないようにできます。逆にマイクの感度を上げることで、より繊細な音を拾うことができます。

コンデンサーマイクのおすすめ人気ランキング

さてここまでコンデンサーマイクの選び方のポイントをご説明してきましたが、ここからはおすすめのコンデンサーマイクを私たちが使ってきた経験・および口コミなどからランキング形式でご紹介していきたいと思います。

1位 MXL コンデンサーマイクロフォン V67G

MXL コンデンサーマイクロフォン V67G
10,778円(税込)

  • 作動方式:プレッシャーグラデュエントタイプコンデンサー
  • ダイアフラム:直径25mm 厚さ6μ
  • 周波数特性:30Hz~20KHz
  • 指向性:単一指向性
  • 入力感度:15mv/Pa
  • 出力インピーダンス:200ohm
  • S/N比:80DB以上
  • 自己ノイズ換算レベル:20DB (IEC 268-4準拠)
  • 最大入力許容音圧:130dB
  • 電源:ファンタムDC 48V +/- 5V
  • サイズ:47mm x 184mm
  • 重量:470g

圧倒的コストパフォーマンス

フラットな周波数特性で、低価格コンデンサーマイクにありがちな高音域が強すぎる周波数特性ではありません。
ボーカルなどの録音ではよほどしっかりとしたマイクプリアンプなどの設備がなければ、高価格コンデンサーマイクとさほど変わらない音をとってくれます。

rode nt1などの低価格コンデンサーマイクはしばしば音色がついてしまい、そのままなら心地よい音に聞こえるのですが、ミックスダウンの際に、イコライザーやコンプレッサーをかけると変な音になってしまいます。

このマイクは中級以上になっても、しっかり使える高品質マイクなので、初めに買っておけば、よほど高いクオリティを求めるのでなければ、買い換える必要性はでてこないでしょう。

2位 BEHRINGER B-1

  • 1インチラージダイアフラム
  • 単一指向性
  • 周波数特性:20Hz-20kHz
  • 出力インピーダンス:50Ω
  • 感度:20mV/Pa
  • 最大SPL:138dB
  • 等価雑音ノイズ:13dB-A
  • S/N比:81dB-A
  • 出力コネクタ:XLR3ピン(オス) 
  • 電源:ファンタム電源48V、3mA
  • フィルター:6dB/Octave at 75Hz
  • アッテネーションスイッチ:-10dB
  • サイズ・重量:径58mm、長さ174mm・461g

高い感度と原音に忠実な再現性

また、対音圧特性に優れ最大音圧レベルが高いです。
V67Gと同様、ハイエンドのコンデンサーマイクと聞き分けるのは難しいレベルで優れたマイクです。

3位 Neumann U87Ai

  • 指向性切替式(無指向性、双指向性、単一指向性)
  • 周波数特性:20Hz-20kHz
  • 最大SPL:127dB SPL/117dB(単一指向性)
  • SN比:80dB
  • 出力インピーダンス:200Ω
  • 電源:ファンタム48V±4V
  • サイズ・重量:径56mm、全長200mm・500g

スタジオ定番の最上級コンデンサーマイク

実用的コンデンサーマイクの最高峰とも言えるノイマンのU87aiです。
スタジオでのボーカルの録音には欠かせないマイクですが、値段が約30万円と高価です。
また、高音域の感度が高めになっており、ボーカルなどでは倍音が綺麗にとれますが、機材や音の種類によっては合わないものもあります。
本格的に録音する必要があり、録音施設(無音室)・録音機材(マイクプリアンプ・オーディオインターフェース)が完備してある場合に、選ぶとよいでしょう。

4位 BEHRINGER B-2PRO

  • 1インチラージダイアフラム
  • 指向性切替式(3段階、無指向/単一/双指向性)
  • 周波数特性:20Hz-20kHz
  • 出力インピーダンス:100Ω
  • 感度:-36dBV、16mV/Pa(単一)
  • 最大SPL:138dB(単一)
  • 等価雑音ノイズ:17dB-A(単一)
  • S/N比:77dB-A
  • 出力コネクタ:XLR3ピン(オス) 
  • 電源:ファンタム電源48V、3mA
  • フィルター:6dB/Octave at 150Hz
  • アッテネーションスイッチ:-10dB
  • サイズ・重量:径56mm、長さ210mm、シャフト径50mm・550g

指向性選択ができ、コストパフォーマンス抜群

カーディオイド型/無指向型/双指向型を選択でき、ローカットスイッチ(ローカットフィルター)もついています。
様々な場面で使えるコストパフォーマンスのよいコンデンサーマイクです。

5位 AKG C414 XLII

  • 指向特性:9段階(無指向性/ ワイドカーディオイド/ カーディオイド/ ハイパーカーディオイド/ 双指向性と各々の間)
  • 周波数特性:20Hz ~ 20kHz
  • 開回路感度:-34dB( ± 0.5dB) re 1V/Pa 
  • 最大音圧レベル:140dB SPL (パッドOFF、THD 0.5%) 
  • 等価雑音レベル:6dB SPL(Aウェイト) 
  • パッド:0/-6/-12/-18dB 切り替えスイッチ 
  • ローカットフィルター:Flat/40Hz(12dB/oct)/80Hz(12dB/oct)/160Hz(6dB/oct) 
  • インピーダンス:200Ω以下 
  • 電源:ファンタム DC48V/ 約4.5mA 
  • コネクター:XLR 3 ピン 
  • 寸法・質量:幅50 ×高160 ×奥行38mm、300g 

u87aiに次ぐ定番スタジオマイク

スタジオにはu87とc414が置いてあることが定番です。
比較的フラットな周波数特性で、編集のしやすさでスタジオに置かれていることが多いようです。

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