楽器別クリップマイクの選び方・おすすめランキング【2017年4月版】

最終更新日: 2017年05月26日 | 作成日: 2017年04月11日 | 3253 views

ライブやコンサート・録音をする際に用いるクリップマイクは数多くの種類があり、自分の楽器・用とに合ったクリップマイクを探すのは時間がかかるものです。そこでクリップマイクを選ぶ上で着目すべきポイントを解説したのち、楽器別のおすすめクリップマイクをご紹介します。

ぜひ自分の楽器に合ったクリップマイクを見つけて、素晴らしい演奏を集音・録音してくださいね♬

27商品から
5商品厳選
中谷 卓也
かつてレコーディングエンジニアとして働いていました。 今も自分自身で音楽活動を続けています。 最近では三線にはまっています。

スタンドマイクに対するクリップマイクの利点

マイクスタンドに立てたコンデンサーマイクやダイナミックマイクと楽器に取り付けたクリップマイクはどのように違うのでしょうか?

クリップマイクの最大のメリットは演奏者が普段の演奏と同じように演奏することができる点です。

マイクスタンドは動かすことができませんし、マイクに指向性(どの角度から音をより集音するのか)があれば、楽器の向きを変えただけで、音がうまく集音されなくなります。

また、視界にマイク・スタンドがあると緊張してしまう方も多いでしょう。

かつてはスタンドにコンデンサーマイクを立てた方がよっぽど高音質・フラットにとれたのですが、現在では小型マイクであるECM(バックエレクトレットコンデンサーマイク)の技術が飛躍的に向上したため、ハイエンドモデルではほとんど変わらない音質で集音・録音できるようになってきました。

楽器別クリップマイクの選び方のポイント

楽器用として売られているクリップマイクには、各楽器に特化したハイエンドモデルと様々な楽器に汎用的に使えるローエンドモデルがあります。
コスパ良く自分に合ったクリップマイクを探すためには、各楽器でどのようなスペック・性質が最適なのかを知る必要があります。

取り付けやすさ

クリップマイクの取り付けは時に煩わしいものです。ベロクロで簡単に巻けるタイプは弦楽器や管楽器には最適です。
オカリナ・ピッコロなどでは服の胸元にクリップで付けられるタイプ、ハーモニカやリコーダー・笛などでは服に取り付けられるだけでなく指に巻けるベロクロも付属していると良いでしょう。

クリップタイプやクランプでは高価な楽器に傷がつく可能性がありますので、粘着タイプやベロクロタイプが良いでしょう。

ベースやギターなどでは小型のクランプでしっかり挟めるタイプが必要になるでしょう。
とはいえ、自作すればどのようなタイプでも使えるようにはなります。

最大出力音圧レベル(最大SPL)

マイクには最大出力音圧レベルと呼ばれる性能表示があります。これはどれくらい大きな音まで歪みなく、正確に電圧に変換できるのかを表します。

クリップマイクは楽器の近くに取り付けられる場合が多いため、スタンドマイクと比べて最大音圧レベルはシビアな問題になりやすいです。

140dBが人が耐えられる最大の音と言われますが、管楽器などではそれを超えることもしばしばあります。そのため大きな音がでる楽器を演奏する方は150dB程度の最大SPLをもつクリップマイクをおすすめします。

音質劣化の原因となる回路

クリップマイクはスタンドマイクとは異なりコンパクトな設計にする必要があります。コンパクトな設計にするために、ローエンドモデルで犠牲となるのが音質です。

音をピュアに電圧に変換すると最も高音質にとれるわけですが、高電圧を振動板にかけなければ、十分な電圧に変換することができません。
そこで小型化するために、FET(トランジスタ)でごまかされるわけです。

もし高音質なクリップマイクが必要であれば、パワーモジュールがついたクリップマイクをオススメします。

周波数特性

周波数特性は、どの周波数(音の高さ)の音をどれくらい強く集音するのかを表します。
自分の演奏する楽器の周波数帯域において周波数特性がフラットなマイクがオススメです。

周波数特性がフラットというのは、どの高さの音も一様な強さで集音されることを意味し、より原音に忠実でナチュラルな音になります。

高音部が上がった周波数特性では、高音部ばかりが強調されて聞こえ、不自然な仕上がりになってしまいます。

特別な理由がない限りはできるだけ周波数特性がフラットなマイクを選びましょう。

指向性

指向性とは、どの方向から来た音をより強く集音するかを表す性質です。
クリップマイクの場合は楽器以外の音をできるだけ集音しないために、超単一指向性がオススメです。

感度

マイクの感度はdB(デシベル)で表されます。
デシベルと聞くと音の大きさのように感じる人も多いかと思いますが、デシベルは2つの量の相対的な関係を表す際に用いられます。

ここにおける2つの量とは、気圧(音の大きさ)と電圧です。
音が大きければ、それだけ空気が大きく振動し、大きな気圧の変化が生まれます。
よって気圧は音の大きさと置き換えてもらって大丈夫です。

さて、マイクの感度では
気圧が1Pa(パスカル)変化したときに1ボルト電圧が変化する関係を0dBとしています。

感度高い順に
  • 気圧1Pa・電圧1V:   0dB
  • 気圧1Pa・電圧0.01V: -20dB
  • 気圧1Pa・電圧0.001V:  -40dB
  • 気圧1Pa・電圧0.0001V:-60dB

という関係になっています。
つまりマイナスなんとかdBの数字が0に近いほど感度が高いマイクということです。

安いクリップマイクは感度が-60dB程度で、ハイエンドになれば-40dB程度になります。
つまり感度は10倍程度違います。

軽量性

クリップマイクを楽器につけると楽器の重さのバランスが若干変わるため、弾きづらいと感じる方もいるかもしれません。できるだけ軽いクリップマイクを選ぶことで、いつも通りの感覚で演奏することができます。

しかし小型化するほど、音質は下がってしまい、音質を維持したマイクは高価格になります。

楽器別クリップマイクのおすすめ

さてここまでクリップマイクの選び方のポイントを解説してきましたが、ここからは私たちが使ってきた経験・口コミなどからオススメしたい楽器用のクリップマイクをご紹介していきます。

ぜひ自分の楽器に最適なクリップマイクを見つけてください♬

弦楽器ならコレ!

AKG アカゲ 超小型コンデンサー・マイクロホン C411 PP
20,418円(税込)

  • 専用の粘着剤で楽器を傷つけずに固定可能。
  • 電源:ファンタム DC9~52V2mA以下
  • コネクター / ケーブル長 : XLR 3ピン / 3m(プリアンプ付)
  • 付属品:粘着剤 /マイクポーチ
  • 寸法(W×H×D); 14.2×26.7×9.7mm
  • 質量; 98g(含ケーブル・プリアンプ)

超軽量・ブリッジに取り付け可能

バイオリンなどの弦楽器を最も原音に忠実に集音するためには、弦楽器のブリッジ部分にマイクを取り付けることだと言われています。それは邪魔にならずいつも通り弾きやすく、また重量も変化しにくいからでしょう。

クリップタイプではブリッジにうまく取り付けられませんが、C411なら粘着剤でブリッジの壁に引っ付けることができます。

当然音質はAKGの最高音質ですから、問題ありません。

アコースティックギター・クラシックギター・三線・三味線・バイオリン・チェロなどの弦楽器を集音・録音するためには最もコストパフォーマンスが良いクリップマイクと言えるでしょう。

汎用的・コスパ重視なら!

オーディオテクニカ インスツルメントマイクロフォン PRO35
16,249円(税込)

型式 | バックエレクトレットコンデンサー型
指向特性 | 単一指向性
周波数特性 | 50~18,000Hz(ローカットスイッチ付)
感度(0dB=1V/1Pa、1kHz) | -45dB
最大入力音圧レベル(1kHz、THD1%) | 145dB、S.P.L.
SN比(1kHz、1Pa) | 62dB以上
ローカット | 80Hz、18dB/oct
出力インピーダンス | 250Ω平衡
電源 | ファントムDC11~52V
消費電流 | 2mA
ケーブル | 1.8m
仕上げ | 黒つや消し焼付塗装
質量(マイク部のみ) | 8.0g

弦楽器から管楽器まで幅広くカバー

電子回路にゲートやリミッターが入っていないため、ピュアに集音することができ、高音質さを実現しています。

周波数特性も非常にフラットでコストパフォーマンス抜群と言えるでしょう。

オールジャンルで使える

AUDIO-TECHNICA ATM35 管弦楽器コンデンサーマイク
37,800円(税込)

型式 | バックエレクトレット・コンデンサー型
指向特性 | 単一指向性
周波数特性 | 100~20,000Hz(ローカットスイッチ付)
感度(0dB=1V/1Pa、1kHz) | -44dB
最大入力音圧レベル(1kHz、THD1%) | 143dB(電池時)、150dB(ファントム48V時)
ローカット | 80Hz、12dB/oct.
SN比(1kHz、1Pa、A特性) | 67dB
出力インピーダンス | 100Ω平衡
電源 | 006P形乾電池×1、またはファントムDC11~52V
消費電流 | 2.7mA(電池時)、3.3mA(ファントム時)
電池寿命 | 約250時間(アルカリ電池連続使用時)
マイクホルダー | ウインドスクリーン部 径22mm、ブーム長84mm
ケーブル | 7.6m
出力コネクター | キャノンXLRMタイプ(パワーモジュール AT8532付)
外形寸法 | 直径12mm、全長45.2mm
質量 | 8.5g

最大入力音圧レベル150dB・抜群の周波数特性

PRO35の上位モデルということもあり、素晴らしいスペックを誇るクリップマイクです。

決して安くはありませんが、ドラムなどの高音圧にも耐えることができるため、高音圧を集音する場合には必要になるクリップマイクでしょう。

周波数特性もPRO35以上に広く・フラットになっています。特に16kHz以上の高周波数帯域でもしっかりとフラットな特性を保てています。高音の倍音を綺麗にとるため必要十分なスペックです。

使えるクリップマイクの中で最も格安!

CLASSIC PRO クラシックプロ ラベリアコンデンサーマイク GNM-1
7,899円(税込)

  • コンデンサーマイク、グースネックタイプ
  • 単一指向性
  • 周波数特性:100Hz-16kHz
  • 感度:-45dB+/-3dB, 最大SPL:145dB
  • S/N比:60dB
  • 出力コネクタ: マイク出力 ミニXLR(メス)、変換アダプター XLR3ピン(オス)
  • グースネック直径: 約5mm, グースネック長さ: 約13cm
  • 電源:ファンタム電源48V
  • 付属品:変換アダプター(ミニXLR-XLR3ピンオス)、ウインドスクリーン、ケーブルクリップ3個

十分なスペックとコストパフォーマンス

1万円を切る楽器用クリップマイクの中で最もオススメするのが、このGNM-1です。

格安クリップマイクのほとんどはノイズが多く、音も歪みやすいですが、このGNM-1はプロ仕様の設計で、プロでも使えるクオリティーになっています。

初心者の1つめのクリップマイクにおすすめです。

超フラットな周波数特性をもつ最上級モデル

AUDIO-TECHNICA ATM350W インストルメントコンデンサーマイクロホン
41,904円(税込)

型式 | バックエレクトレットコンデンサー型
指向特性 | カーディオイド
周波数特性 | 40~20,000Hz
ローカット | 80Hz、12dB/oct
感度 | -49dB(3.5mV)re 1V at 1Pa
出力インピーダンス | 200Ω
最大入力音圧レベル | 159dB SPL、1kHz at 1% T.H.D.
ダイナミックレンジ(typical) | 130dB、1kHz at Max SPL
SN比 | 65dB、1kHz at 1Pa
ファントム電源 | 11V~52V DC、3.5 mA typical
スイッチ | フラット、ローカット
質量 | マイクロホン部:14.5g、パワーモジュール:90g
寸法 | マイクロホン部:37.8mm長、径12.2mmパワーモジュール:92mm長、径18.9mm
出力コネクター | パワーモジュール:3ピンXLRM型式
コード | 4.0m長(マイクロホン部に固定)、径3.2mm、HIROSE HR10タイプコネクター使用
オプション交換ユニット | UE-O全指向性、UE-Hハイパーカーディオイド

最上級モデルの音質

周波数特性を見ていただければ一目瞭然ですが、圧倒的にフラットでナチュラルなクリップマイクです。また最大入力音圧レベルは159dBで、超高音圧にも耐えることができます。
SN比も高く、ノイズに悩まされることはないでしょう。

アクセスランキング 今月の人気記事

話題のキーワード よく調べられているキーワード